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「どデカい富士山」を眺める遊覧フライトを体験 おひとりさま利用OK
2025年5月20日 08:20
朝から贅沢な「どデカい」富士山ビュー!
国内に27路線を展開する航空会社フジドリームエアラインズ(FDA)の「富士山遊覧フライト」は、富士山静岡空港(静岡空港)や、県営名古屋空港(小牧空港)から駿河湾、富士山をぐるっと巡り、日本平・静岡平野を一望しながら、もとの空港に戻ってくる。
こういった遊覧飛行は、グループでの申し込みに限られる場合も多く、利用人数が少ないと中止になることも。しかし、「富士山遊覧フライト」は2025年シーズンから、1人でもホームページからの申し込みで、気軽に搭乗できるようになった。
このツアーでは、普通の旅客便よりはるか近くで、「かなりどデカい富士山」を眺めることができるという。実際にに参加し、窓から富士山を眺めたところ……今まで見ていた富士山と、全然違う! さっそく、静岡空港発の遊覧フライト機に搭乗してみよう。
静岡空港の集合は早朝 だからこそ空港でゆっくりできる!
静岡空港発の遊覧フライトの運賃は25,000円で、予約はWebのみ。運行は土日等で、現在は8月までの運行日が公開されている。
この遊覧フライトは、静岡空港からの出発が午前7時30分と早いものの、列車なら静岡駅5時53分発、浜松駅5時35分発で、JR東海道本線 金谷駅下車→6時30分・金谷駅前発の空港行きのバスに乗り継げば、保安検査の時間を考えても十分に間に合いそうだ。また、駐車場は1日停めても「普通車最大500円」なので、自家用車やレンタカーで向かうのも良いだろう(いずれも25年5月現在)。
静岡空港内にはコンビニ(セブンイレブン)、売店、コンセントが使える待機スペースなどもあり、時間待ちの環境としては十分だ。事前に保安検査を済ませ、出発待ちエリアにさっそく移動する。
記者の搭乗日(5月18日)には、2019年から定期運航についているJA16FJ(16号機。「エンブラエルERJ175」)が充てられた。比較的新しい機体で、シートピッチは31インチ(79cm)、ゆったり座って富士山を眺めることができる。
シートベルトを締め、いざ富士山へ。7時30分、静岡空港発・静岡空港行きの遊覧フライト機は、滑走路を飛び立った。
いつもより富士山の眺めが雄大! 秘密は「空中の高度」
遊覧フライトの飛行機は、空港から敦賀湾に出て大きく旋回、左手に清水港・三保松原、左手に静岡平野・日本平を見ながら北上する。ここから富士山麓は直線で約50km、間もなく見えてくる富士山は……。
普通の飛行機から眺める富士山が「上空から小さく見下ろす」のに対して、遊覧フライトで眺める富士山は「山麓、まわりの山なみまで一望」するようなアングルで、見え方や大きさがまるで違う。遊覧フライトからの富士山の眺めは、これまで地上からも旅客機の窓からも、見たことがない。
雄大な「どデカい富士山」の秘密は、滞空する高度だ。通常の飛行機が富士山から高度1万mほどで通過するのに対して、遊覧フライトでは高度5,000m少々で、富士山の周辺を一周するからこそ、富士山を「ナナメ上」くらいの目線で俯瞰することができる。さらに、旅客機からだと米粒のように見える富士五湖(本栖湖・精進湖など)も、くっきりと眺めることができるのだ。
たった50分のフライトだが、座席の右側・左側のどちらに座っていても、普通の旅客機では見ることができない景色を、たっぷり眺めることができる。ほかの座席にいた方が「長らく静岡に住んでいるけど、こんな間近に富士山を見たのは初めてだ!」と話されていたのが、印象的であった。
東西に長い静岡県 遊覧フライトは「朝イチ観光」に最適
8時20分、静岡空港に着陸。遊覧フライトは、ここで解散となる。なお、フライトを終えた機体は、乗客を入れ替えて札幌・丘珠空港行きになるため、3階・展望デッキに移動して見送るのも良いだろう。
近年はインバウンドを中心に「早朝から市場を訪問」「夜はナイター観戦」など、旅行中の時間のフル活用を試みる人も多いという。遊覧フライトは朝早くに解散するため、東なら伊豆半島、西なら浜松市あたりまで移動して、午後からの観光にたっぷり時間を使えるのはうれしい。
早朝に集合して早朝に解散する静岡空港発の遊覧フライトは、東西にひたすら細長い静岡県の「朝イチ観光」として、定着することができるのか。運航は5月~8月の週末。遊覧フライトならではの「どデカ富士山」を、少しでも多くの人々にご覧いただきたい。